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キュウシュウツチハンミョウ・ヒメツチハンミョウ…ツチハンミョウの生態
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コウチョウ目 ツチハンミョウ科
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2011年11月27日…兵庫県宝塚市 Photo by
M.Mat.
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2011年11月27日に撮影されたキュウシュウツチハンミョウかヒメツチハンミョウと思われるツチハンミョウのなかまの写真が松本
勝さんから送られてきました。博物館の標本を見ると北摂地域やその周辺の地域には生息しているようですが実際に見たことがありませんでした。大阪府高槻市の鵜殿にはキュウシュウツチハンミョウが生息しているそうなのですがわたしには見つけることができませんでした。ネットで調べていると兵庫県三田市や兵庫県川辺郡猪名川町のツチハンミョウのなかまの写真が出てきます。いるはずなのですが見つけること自体が大変な昆虫です。ツチハンミョウの分類、特にキュウシュウツチハンミョウとヒメツチハンミョウの違いを見るのは難しいようです。
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ツチハンミョウはファーブル昆虫記にも出ている昆虫です。奥本大三郎さんが訳しておられる集英社のファーブル昆虫記6では−ツチハンミョウのミステリー−でスジハナバチに寄生するツチハンミョウが、古川晴男さんが訳しておられる偕成社の少年少女ファーブル昆虫記5ではアトグロスジハナバチに寄生するツチハンミョウが紹介されています。このツチハンミョウはカンタリジンという毒を持つ有毒昆虫としても知られ、ハナバチ類の巣に寄生し過変態という変わった変態をするのでも有名です。
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2011年11月29日…兵庫県宝塚市
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松本さんに場所を教えていただいて見に行ってきました。上の写真がキュウシュウツチハンミョウと思われるツチハンミョウのメスです。下がオスのツチハンミョウです。オスの触角には大きな節があるので簡単に雌雄の区別ができます。ところが触角の第1節から4節を見るとヒメツチハンミョウと思われます。ひとまず過変態の昆虫を見ることができました。
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キュウシュウツチハンミョウと思われるツチハンミョウのメスが枯れ葉の上に出てきました。
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2011年11月30日…兵庫県宝塚市
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昼の気温が高くなりました。オスのツチハンミョウが歩き回っていました。博物館にある多くの標本を見てもキュウシュウツチハンミョウとヒメツチハンミョウを確実に区別をするのは難しいことがわかりました。ひょっとすると同じ場所に両方の種類がいるということもあるのかもしれません。ふつうはどちらかの種類だと思うのですが…。
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2012年3月22日…兵庫県宝塚市
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ナガバタチツボスミレの花が咲きだしました。まだ、このツチハンミョウがキュウシュウツチハンミョウかヒメツチハンミョウなのかはわかっていません。それでも生態だけは調べておくことにしました。
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枯れ葉の上にツチハンミョウのメスがいました。しばらくすると草の中に入っていきました。よく見るとニシノホンモンジスゲの葉を食べていました。
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ツチハンミョウのオスはほとんど眼が見えていないように感じます。交尾をするときはメスがフェロモンのようなものを出してそれをオスが感じて行動しているようです。オスのあの極端に変わった形の触角はガのなかまのオスの触角と同じような働きをしているのかもしれません。
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ツチハンミョウのオスとメスが交尾行動をとっています。オスのツチハンミョウはしきりに触角を動かします。この時は交尾までは行いませんでした。メスの腹部が11月下旬よりも細くなっています。もうすでに何度か産卵を行っているのかもしれません。
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交尾がうまくいかなかったオスが、またメスのツチハンミョウを探して歩き回っていました。
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歩き回っていることが多いツチハンミョウのオスですが、ときどきメスと同様にニシノホンモンジスゲの葉を食べています。
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このようにして早春の晴れた日のツチハンミョウのくらしが繰り返されています。
上の写真をクリックすると大きな画像で見ることができます。
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その後もこのツチハンミョウの観察は続けています。調べているうちにヒメツチハンミョウだろうと思われてきました。ただし、見かけではわかりそうにないので夏にきちんと同定してもらうことにしました。その後の観察はまたまとめたいと思います。
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では、明らかにこれまでの記録からキュウシュウツチハンミョウとされているツチハンミョウはどうしているのでしょう。ずっとキュウシュウツチハンミョウを調べておられた方に、1齢幼虫をいっしょに探しに連れて行っていただきました。残念ながら以前の生息場所では見つけることができませんでした。わたしもヒメツチハンミョウと思われるツチハンミョウの幼虫は見つけられるようになったので探しているのですが見つかりません。またチャレンジしたいと思います。
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ツチハンミョウを観察していると幼虫がほかの昆虫に着く場面を見ることがあります。写真はヒメツチハンミョウと思われるツチハンミョウの1齢幼虫がセグロカブラハバチにまとわりついているところです。
2014年4月、ヒメツチハンミョウの1齢幼虫が孵化を始めていました。セグロカブラハバチでない種類のハチがヒメツチハンミョウの幼虫で真っ黒になっていました。
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2014年4月…兵庫県宝塚市
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2002年6月2日…兵庫県川辺郡猪名川町 Photo by
M.Mat.
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最初にこれらのツチハンミョウがいるのを教えてくださった松本
勝さんと話をしているとずっと以前から兵庫県川辺郡猪名川町でヒメツチハンミョウと思われるツチハンミョウを見ていますよ、とのことでした。写真も送ってくださいました。ずっと見ておられたとは驚きでした。
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2009年5月3日…兵庫県川辺郡猪名川町 Photo by
M.Mat.
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撮影されたのは2002年と2009年でした。こちらの写真は2009年のものです。
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2012年11月16日…兵庫県宝塚市
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この秋初めてヒメツチハンミョウと思われるツチハンミョウを見ました。ただし、いつもの場所とは1kmは離れた場所でした。他にも生息場所がありそうです。
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紅葉や落ちた柿の葉がとても美しい季節でした。いつもの生息場所でも2ひきのオスを見ることができました。1ぴきはニシノホンモンジスゲを食べていました。
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2012年11月21日…兵庫県宝塚市
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この季節今年初めてヒメツチハンミョウと思われるツチハンミョウのメスを見ました。気温が上がらなかったためか、まったく動きませんでした。
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2012年11月28日…兵庫県宝塚市
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ヒメツチハンミョウと思われるツチハンミョウを8ひきも見ました。活動も活発になっていました。
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大阪府池田市では2010年にNPOシニア自然大学校
研究部昆虫科の方々が昆虫相の調査をしておられます。それによると4月8日にヒメツチハンミョウを2ひき確認されています。2012年の4月に教えていただいた確認場所を探してみましたが見つけることができませんでした。大阪府池田市に生息するツチハンミョウを見てみたい。ずっと探しましたが見つかりません。この地域で自然の観察をしておられる方々にも声をかけてみました。
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2003年12月1日…大阪府池田市 撮影 横田
靖氏
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2012年12月16日、「写真を整理しているとそれらしき昆虫を撮影していた」との連絡がありました。この地域でずっと継続観察を続けておられる横田
靖さんからです。上の写真もお借りしました。2ひきいたそうです。やはり確かにこのヒメツチハンミョウと思われるツチハンミョウは大阪府池田市にも生息しているのです。そして撮影日は2003年12月1日。「冬と春に見つかったのだからヒメツチハンミョウだ」一般にはそういわれています。しかし、わたしにとっては謎がどんどん深まっていきました。
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2013年5月23日…大阪府池田市
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大阪府池田市で土塀のクモの巣に死んで日数のたっていないヒメツチハンミョウのメスがかかっていました。やっと池田市のヒメツチハンミョウを見ることができました。なぜ地上から2mほども高さのある場所のクモの巣にかかっていたのかはまったく意味が分かりません。2003年に横田氏が撮影された場所から200mほど離れた場所だそうです。
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2019年12月1日…兵庫県宝塚市 |
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2019年11月24日のイベントで子ども達が見つけたそうです。ヒメツチハンミョウのメスです。少し時期が遅くなってきましたのでこのシーズンの観察は少し難しいかもしれません。これまで宝塚市の武田尾まで調べに行っていたのでここで見つかると大変ありがたいです。
ハチに強いI.氏にうかがうと、この場所ではマルハナバチのなかまは、多いものから、クマバチ・コマルハナバチ・トラマルハナバチがいるそうです。ほかにもルリモンハナバチやトモンハナバチ、もっと数が少ない種類がいるそうです。 |
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