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アブラコウモリの冬越しとくらし

  電信柱にとまったアブラコウモリの写真
2017年8月1日…兵庫県三田市
   教員研修で昆虫の観察をしていると別の班から「コウモリがいます」という声が聞こえました。めったに見られないのでみんなで見に行きました。電柱の目線くらいの高さにとまっていました。まともなカメラをもっていかなかったのですがこの高さならある程度の写真は撮影ができます。
 博物館の敷地内です。人が暮らしている場所にいるコウモリはほとんどがアブラコウモリ(イエコウモリ)です。
  アブラコウモリを下から見た写真
   目を閉じているので顔の様子はわかりにくいのですが下から見た写真です。(上の写真)
  アブラコウモリ-哺乳類のあかし・足の指の写真
   コウモリに詳しい学芸員の方が来てくださいました。まず、後ろの足の指が5本あるのが哺乳類の証拠だそうです。写真のように指が5本あります。よくコウモリは哺乳類のなかまに入れてもらえなかったという話があります。コウモリは漢字では蝙蝠と書きます。虫偏です。コウモリは哺乳類に入れてもらえなかったという説明があったのでそれで虫偏で書くのかと思ったのですが、「蛇(へび)」も虫偏です。昔の分類では哺乳類や鳥、魚等のようにはっきりと分類できるもの以外はすべて「虫」と呼んでいました。虫偏になっているのはそのためではないかなとも思います。ヘビも虫でした。コウモリも虫といわれた時代があったのかもしれません。
   アブラコウモリについてはずっと疑問がありました。イエコウモリとも呼びますがあまりそれを使わないのは別種のヨーロッパイエコウモリとの混同をさけるためと聞いたことがあります。ではなぜアブラコウモリ(油蝙蝠)という名前がついたのでしょう。学芸員の方がていねいに説明してくださいました。
 コウモリというと嫌われ者というイメージがありますが、中国では「幸福の動物」だそうです。文化の違いです。日本の長崎は昔から中国との交易が盛んでした。そのため中国の文化の影響を強く受けていました。長崎でもコウモリは幸福の動物だったようです。ですからコウモリは大切にしました。
 昔は油を入れる壷があったそうです。その壷は蔵に入れられていたそうです。その蔵にアブラコウモリがいたそうです。そのためか長崎ではアブラムシと呼んでいたそうです。それから学名がPipistrellus abramusとなったそうです。この学名からアブラコウモリになったそうです。ウィキペディアの説明とは違いが多いのですがこの説明のほうがずっと説得力があるように感じます。(ウィキペディアも読んだほうがいいと思います。)何しろ長崎を代表するあのおいしくて高いカステラ-福砂屋の商標は蝙蝠です。コウモリを商標にする文化は日本ではほかにないように思います。
 このアブラコウモリは昨年生まれた個体のようで、出産は7月に行われるそうです。コウモリと聞くと病気を心配される方がおられますが、日本のコウモリではほとんど病気にはならないそうです。(ただし、病気に関することなのでこの内容については自己責任で判断してください)
 コウモリの前足も指は5本だそうです。
 「コウチャンしあわせにね」という本を紹介していただきました。すぐに入手して読んでみましたが子どもの記録が中心の本で愛情たっぷりのいい内容でした。
   その時にコウモリの前足がどのような仕組みになっているかを聞いてメモしました。ただし、聞き間違いがあるかもしれません。下の写真がコウモリの前足の構造です。
  コウモリの前足の仕組みの写真
 

2006年3月1日…大阪府池田市豊島北

 2006年3月1日、出勤するとhir.さんが、「昨日コウモリがいた。」といって昆虫飼育用のケースに入った小さなコウモリを見せてくださいました。アブラコウモリです。

 昨日の午前9時ごろに左のトイレの床に落ちていたそうです。

越冬中のアブラコウモリ

 けっこうかわいい顔をしています。

 でも、手を近づけるとキィキィと鳴きながらかみつこうとします。口を開けたところを見ると肉食の哺乳類という感じがします。

アブラコウモリの顔

 ふだんあまりお目にかからないのでもう一枚写真を載せておきます。

腹側から見たアブラコウモリ

 3月2日、見ると水の入れ物をのぞいていました。口に水をつけてやると動かしていました。飲んでいるのかどうかは分かりません。

2006年3月2日…大阪府池田市豊島北

あそこの写真

 hir.さんが、「このコウモリは、おす、めすどちらですか。」と聞かれました。ところが私はコウモリの雄雌の区別の仕方を知りません。あそこの写真を撮っておきました。分かる方がありましたら教えてください。

 大阪府池田市立北豊島小学校の校舎内で私がアブラコウモリを見るのは2度目です。2005年にもアブラコウモリを見ています。

2005年8月7日…大阪府池田市豊島北

 2005年8月7日午後0時45分ごろ水泳指導が終わって職員室に戻ろうとしていたときのことでした。

 あれ、コウモリがいる。

 東館1階の廊下の窓枠の上にアブラコウモリがとまっていました。校舎内に閉じこめられたのでしょう。

 子ども達によく見せてあげようと手に取ると死んでいました。

 死んだまま足のつめが窓枠に引っかかってぶらさがっていたようです。死んでからあまり時間はたっていないようでした。

アブラコウモリの長さ

 今回知らせてくださったhir.さんの話では、数年前にも玄関で魚を飼っている水槽の上で死んでいたそうです。2回の場所はトイレと水槽です。以前ハムスターを飼っていたときに逃げ出すとトイレにはまっていました。よくあります。水を求めて行くようです。

 私たちがふだん目にするコウモリのほとんどがアブラコウモリです。町の中に多いコウモリです。大阪府池田市立北豊島小学校の周辺でも田畑が残っているところでは夕方多くのアブラコウモリが飛んでいます。近くの池田市立北豊島中学校では、多くのアブラコウモリが靴箱の裏で冬眠していたという話を聞いたことがあります。

2006年3月24日…大阪府池田市豊島北

 2006年3月24日、不用品が4月から有料化されるというので大大掃除でした。先日のアブラコウモリは運動場の体育倉庫に放していました。ここも整頓です。コウモリは古い跳び箱についていました。

 弱っているようでしたが、ついている姿勢は越冬のときの基本的な形ではないかと思われます。

越冬中のアブラコウモリ

廊下にいたアブラコウモリ
2008年1月15日…大阪府池田市豊島北

 2008年1月15日午後6時、職場の人が、「コウモリがいます。」と教えてくれました。見に行くと、廊下にコウモリが落ちていました。アブラコウモリです。近寄ると飛ぼうとして動き出しました。暖房の聞いているような場所ではありません。

 捕まえて外に話すと元気良く飛んでいきました。よくこの寒い日に飛べるものだと思いました。うまく越冬場所を見つけてくれるといいのですが…。

飛んで来たアブラコウモリ
2010年8月29日…兵庫県伊丹市

 猛暑日が続く中、午後0時すぎに飛んできて建物の壁にとまったアブラコウモリと思われるコウモリです。右上の角に頭をおしつけるようにしてじっとしました。昼に飛ぶアブラコウモリを見ることはめったにありません。

飛ぶアブラコウモリ
2008年8月7日…大阪府池田市鉢塚

 夜、池の周囲をアブラコウモリが飛んでいました。いくらでも飛んでいるのですが写真に撮るのは大変です。