アリジゴク…ありじごく…漢字で書けば蟻地獄。アリにとっての地ごくとは、何でしょう。
最初の写真は、大阪府池田市の子ども達が自然学舎や臨海学舎でお世話になっていた鳥取県青谷町の『(旧)池田市立少年自然の家』でとったものです。木の階段の横に小さなすりばら型をしたものがいくつもならんでいます。このすりばち型のものや、その中にすんでいる昆虫をアリジゴクとよんでいます。
この昆虫は、すりばち型の穴の中で足をすべらせて落ちて来るえものを待っているのです。そして、他の昆虫などが落ちて来ると、大きなあごでつかまえ、体の液をすいとってしまいます。うまくつかまらない時には、あごをばねのようにして砂をとばし、その昆虫などが穴の中心の方へ落ちて来るようにします。
上の大きな写真は、大阪府池田市にある五月山で見られるアリジゴクです。五月山の児童文化センターの近くで撮影しました。
このような穴で落ちて来る昆虫などを待つわけですから、大変気の長い話です。近くを通る、アリやダンゴムシなどが食べ物になります。ですから、このアリジゴクは、成虫(せいちゅう…親)になるまで2〜3年もの幼虫生活をおくらなければなりません。
私が子どものころは、夏休みなどには、母親の育った兵庫県川辺郡猪名川町によく行きました。ひどい時は、1か月も…。着くと、家には入らず、まず、アリジゴクを探しに行きました。できるだけ大きいものを採って帰るのですが、それでも1年は食べ物をやり続けないと成虫になりませんでした。育てるのは大変でしたが、アリジゴクが砂で丸い繭をつくった時は、感激しました。今でも、それを見ていた時の自分のようすを思い出すことができます。
このアリジゴクのほんとうの名前は、ウスバカゲロウといいます。ただし、ウスバカゲロウのなかまは何種類もいます。夏、臨海学舎をしているころの夜、『自然の家』の電とうにひかれてよく成虫が集まって来ます。昼間でも、その近くにとまったままのものや死体を見ることができます。ウスバカゲロウの成虫は、トンボによくにた成虫です。
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