2014年になって上のハンミョウの写真を送ってくださった松本
勝さんから、「ハンミョウが見られなくなった。」と連絡をもらってました。じつは何年か前から、ここのハンミョウが減ってしまうのではないかと心配はしていたのです。びっくりするほどハンミョウの成虫や幼虫が見られた場所です。ひょうたん島のような形の小高い丘があります。しかし、丘の上にあった枯れた木はなくなっていました。周りの草もどんどん刈られるようになりました。枯れた木の下はハンミョウが冬を越すのに大切な場所でした。昆虫にとって乾燥は大敵です。草をどんどん刈るようにすると、昆虫が極端に減っていきます。よく探すとまずハンミョウの幼虫の穴とおもわれるものがいくつか見つかりました。ハンミョウがまったくいなくなったのではないようでした。季節によっても多い少ないもあります。しかし、幼虫の数は極端に減りました。そしてここの場所で見られた古生代と新生代の地層の境目もわからなくなっていました。山が押し上げられてできたことが、直接見てわかる場所でもあったのですが。
かつてこの山を下りた場所に表面が土に覆われた横岡公園がありました。今も横岡公園はあります。以前と変わったのは、コンクリートで整備された見かけの上できれいになった公園になったということです。この公園にもハンミョウの成虫や幼虫がたんさん見られました。幼虫が育つのにいい崖があったからです。そこは周囲をコンクリートで固められ、芝がはられました。そして、小学校の学習で体験をしながら観察のできた大阪層群の砂岩と泥岩の互層も埋まってしまいました。最近は学べるものがほとんどなくなったので見に行っていません。ヨーロッパなどで公園は自然環境の保全も目的にされることが多いようです。しかし、日本の公園の発想はその逆の考え方のようです。子どもたちが、さまざまな体験でき場所であってほしいとわたしは思います。あなたは子ども達やもっと未来の子ども達のことを考えたときに、大切なのはどちらだと思われますか。
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