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ハンミョウ(はんみょう)…変わったくらしをする生き物

 ハンミョウは漢字では斑猫と書く、甲虫のなかまの昆虫です。成虫・幼虫とも肉食で昼間に活動をし、別名、「道教え(ミチオシエ)」とも呼びます。人が歩く先を逃げてはまた地面に止まり、その様子が、『道を教えている』ように見えるためにつけられた呼び方です。

 成虫は、日当たりのよい丘陵地などに見られ、幼虫の生息場所は地面が粘土質で少ししめった場所です。成虫は、青や赤が輝くように光る美しい色をしています。成虫は、アリなどの昆虫を捕まえて食べますが、幼虫も肉食です。

ハンミョウの写真
2006年8月13日…大阪府池田市五月山

2000年前後の大阪府池田市でのようす

2000年前後の大阪府池田市横岡公園などでのようすです。

ハンミョウのくらし

ハンミョウの幼虫

粘土質の土に穴を掘っています。

やっと釣れたハンミョウの幼虫

やっと釣れました。輪ゴムを使う方法です。

ハンミョウの交尾

地面に二匹のハンミョウが転がっていました。

ハンミョウの成虫
2009年9月6日…大阪府池田市五月山

 久しぶりにハンミョウの幼虫を釣りに行きました。

 巣の周辺には、成虫のハンミョウもいっぱい飛んでいました。ハンミョウの幼虫の穴もたくさんありました。下の写真のようなりっぱな…?幼虫が釣れました。

釣れたハンミョウの幼虫
2009年9月6日…大阪府池田市五月山

春のハンミョウの写真
2012年4月19日…大阪府池田市五月山

 成虫で越冬したハンミョウの活動している姿が見られるようになりました。

 上の写真をクリックすると大きな画像で見ることができます。

春のハンミョウ
2013年4月18日…大阪府池田市五月山 Photo by M.Mat.

 2013年は4月上旬からハンミョウの活動する姿が見られました。ひょっとすると3月にも成虫が見られたのではないかと思われたほどでした。松本 勝さんから写真が送られてきました。

少なくなったハンミョウ
2014年6月28日…大阪府池田市五月山

 2014年になって上のハンミョウの写真を送ってくださった松本 勝さんから、「ハンミョウが見られなくなった。」と連絡をもらってました。じつは何年か前から、ここのハンミョウが減ってしまうのではないかと心配はしていたのです。びっくりするほどハンミョウの成虫や幼虫が見られた場所です。ひょうたん島のような形の小高い丘があります。しかし、丘の上にあった枯れた木はなくなっていました。周りの草もどんどん刈られるようになりました。枯れた木の下はハンミョウが冬を越すのに大切な場所でした。昆虫にとって乾燥は大敵です。草をどんどん刈るようにすると、昆虫が極端に減っていきます。よく探すとまずハンミョウの幼虫の穴とおもわれるものがいくつか見つかりました。ハンミョウがまったくいなくなったのではないようでした。季節によっても多い少ないもあります。しかし、幼虫の数は極端に減りました。そしてここの場所で見られた古生代と新生代の地層の境目もわからなくなっていました。山が押し上げられてできたことが、直接見てわかる場所でもあったのですが。

 かつてこの山を下りた場所に表面が土に覆われた横岡公園がありました。今も横岡公園はあります。以前と変わったのは、コンクリートで整備された見かけの上できれいになった公園になったということです。この公園にもハンミョウの成虫や幼虫がたんさん見られました。幼虫が育つのにいい崖があったからです。そこは周囲をコンクリートで固められ、芝がはられました。そして、小学校の学習で体験をしながら観察のできた大阪層群の砂岩と泥岩の互層も埋まってしまいました。最近は学べるものがほとんどなくなったので見に行っていません。ヨーロッパなどで公園は自然環境の保全も目的にされることが多いようです。しかし、日本の公園の発想はその逆の考え方のようです。子どもたちが、さまざまな体験でき場所であってほしいとわたしは思います。あなたは子ども達やもっと未来の子ども達のことを考えたときに、大切なのはどちらだと思われますか。

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