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クマバチ…キムネクマバチ

 クマバチというとこわそうな感じがします。クマンバチと呼ばれることもありますが、クマンバチという呼び方はスズメバチのことをさしていることが多いようです。北摂地域でもスズメバチをクマンバチと呼ぶことがあります。スズメバチは危険です。クマバチのメスは刺しますが、巣を襲われた時などに限られるようです。ふだんはおとなしいハチです。お話の世界では「恐ろしい悪者」として出てきますがあのクマバチは実際にはスズメバチのようです。たとえばミツバチの巣を襲うのはスズメバチでクマバチが襲うことはありません。かつて航空力学の世界で、「理論上飛べるはずがない。クマバチは自分が飛べると思っているから飛べるのだ」とか言われたそうです。今ではなぜ飛べるのかはきちんと説明ができるようになったそうです。
 クマバチという呼び方はミツバチ科クマバチ属のハチ全体をさす呼び方で、ふだんクマバチと呼んでいるハチはキムネクマバチだそうです。最近はキムネクマバチという和名のほうがよく使われるようになりました。

落ちていたクマバチ
2006年2月17日…大阪府池田市豊島北

 2006年2月17日、大阪府池田市豊島北の運動場にクマバチが踏まれて死にそうになっていました。

 クマバチは成虫で越冬します。顔に黄色い模様がないので雌のハチです。ただ、成虫になったものが近くの枯れ木などにひそんでいたのか、成虫になったものがそのまま巣の中で越冬していたものかは分かりません。

クマバチの落ちていた場所

2006年2月22日…大阪府池田市豊島北

 2月22日、運動場のかたすみで子どもたちが、「アブ、アブ。」と言って集まっていました。

 下の枯れ枝が落ちている場所を見ていました。落ちているのは、ソメイヨシノの古い枝です。

 ソメイヨシノの枯れた枝が落ちています。一本の枝には穴が開いています。

 周囲には3匹のクマバチが落ちていました。すでに2匹はふまれていました。このような場所でも子どもたちはよく走り回ります。ふまれたのでしょう。1匹は元気でした。

 まだ元気な雄です。

 複眼の間に、黄色い三角形の模様があるのが雄の特徴です。雌にはこれがありません。クマバチは顔を見ると簡単に雌雄の区別がつきます。

クマバチの雄の顔

元気なクマバチの雄

クマバチの巣

 丸い穴の開いた枝を半分にわった写真です。中は完全に空洞になっています。何匹もの幼虫が育ったのでしょう。

クマバチの巣の位置
2006年2月24日…大阪府池田市豊島北

 2月24日、近くを通ったので見ると枯れ枝は片付けられていました。

 22日には気づかなかったのですが目の前に穴の開いた枯れ枝がありました。のこぎりで切られたようです。

 地上からは、約50cmの高さです。このように低い場所に巣があるとは思いませんでした。

 巣の中は空っぽでした。このような場所で何代かにわたってクマバチが育っていたのかもしれません。

 3月3日、以前枝の落ちていた場所を見上げると枯れた枝に穴があいていました。地上から2mちょっとの場所です。

 クマバチはサクラやケヤキに巣をつくることが多いようですがサクラのように何本かの枯れた枝がある場合は同じ場所にいくつもの巣がある場合もあるようです。

 春、オスのクマバチが縄張りを確保するのにホバリングするのをよく見かけます。オスの前翅の先はメスより光るそうです。

ホバリング中のクマバチのオス
2008年4月29日…大阪府池田市伏尾町

アベリアで盗蜜するクマバチのメス
2010年9月29日…大阪府池田市吉田町

 クマバチのメスがアベリアで吸蜜しています。花の正面から蜜を吸っているわけではありません。花の付け根付近から吸っています。盗蜜といいます。

盗蜜するクマバチ
2011年9月25日…大阪府池田市桃園

 クマバチがサルビアグアラニティカ(メドーセージ)にやってきました。クマバチにはこのような花の蜜はふつうには吸えません。次々と盗蜜をしていました。

盗蜜中のクマバチ
2012年4月23日…大阪府吹田市

 栽培種のグミでクマバチが盗蜜していました。なかなか器用です。

グミで吸蜜するクマバチ

 上の写真がグミの花で盗蜜中のクマバチです。このような花では盗蜜があたり前だと思っていました。ところが見ていると下の写真のように正面から蜜を吸うクマバチもいました。すべてのクマバチがこのような花では盗蜜するものだと思っていたので意外でした。学習によるものがあるのかもしれません。上のクマバチは翅の破損がひどいので成虫になってから時間がたっているようです。下のクマバチの翅は破損していません。

グミで吸蜜するクマバチ

つかまった木ばねクマバチのオス
2012年4月28日…大阪府大阪市大阪城公園

 ホバリングをしていたキムネクマバチのオスがつかまりました。ホバリングをしているのはオスです。顔には黄色の模様があります。オスのハチは刺しません。手で握ると小刻みに動かす翅の振動が心地よく感じます。ただし、吸蜜をしているキムネクマバチはほとんどがメスなので、このようなことをすると刺されます。

つかまったキムネクマバチのオス
2012年4月28日…大阪府大阪市大阪城公園
 
  オスのクマバチの顔の写真
2018年5月6日…兵庫県宝塚市
   よく目立つ顔をしています。オスとメスを間違えることはないでしょう。観察会の最中だったので子供にも持ってもらおうと思ったのですが誰一人持ってくれませんでした。よほど信用されていない…?

ホバリングするクマバチの顔面
2012年5月7日…兵庫県宝塚市

 ホバリングしているキムネクマバチの顔を正面から撮ることができました。やっぱりオスです。

  クマバチの写真
2020年5月1日…大阪府箕面市
   クマバチ(キムネクマバチ)の様子を見てきました。やはり5ひき以上のメスが巣になる場所を探していました。
  キムネクマバチの写真
2020年5月1日…大阪府箕面市
   次々とクマバチ(キムネクマバチ)が穴に頭を突っ込んでいました。先客がいると飛んで離れました。写真でわかるものはすべてきれいな翅をしていました。成虫で越冬したと思われます。
 
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